映画「トロイ」あらすじ

トロイとスパルタの間で、和平が結ばれたその日、トロイの王子パリスは、スパルタの王妃ヘレンと恋に落ち、自分の国に連れ帰ってしまいます。トロイの兄ヘクトルや、兄弟の父であるプリアモスは、その行為に憤りながらも、彼を守ることを決めます。

一方、ヘレンの夫であり、スパルタの王であるメネラオスは、これに激怒。兄であるアガメムノンを頼ります。かねてから、トロイを征服しようと考えていた、アガメムノンは、これ幸いと、連合軍を作り、トロイへ侵攻します。

本作品の主人公、アキレスは、アガメムノンに不満を持っていました。しかし、親友であるオデュッセウスの頼みにより、参戦を決意。自分の従弟であるパトロクロスらを率いて、トロイへ参陣します。

初めの戦いは、連合軍が有利に進めます。アキレスたちは、トロイ軍を蹴散らし、さらには、パリスの従妹である、プリセイスも捕らえ、一旦引き上げます。

アキレスは、簡単に自分のものにならないプリセイスの心の強さに、徐々に惹かれていき、また、プリセイスも、捕えながらも、自分を尊重し、大事に扱うアキレスに心を許します。しかし、アキレスが、自分の指示を無視して、引き上げてきたことに腹を立てたアガメムノンは、アキレスからプリセイスを取り上げます。アキレスは、プリセイスをなんとか取り戻しますが、これが決定打となり、アキレスとアガメムノンの関係は悪化。アキレスは戦闘を放棄します。

次なる戦いは、パリスとメネラオスの一騎打ちから始まります。パリスは、戦いは不得手で、防戦一方に追い込まれ、ついには、兄ヘクトルの足元に縋りつき、助けを求めます。ヘクトルは、その姿にたまりかね、一騎打ちというルールを破り、メネラオスを剣で刺し殺してしまいます。アガメムノンは激怒し、全軍に一斉攻撃を指示しますが、アキレスがいない連合軍は、返り討ちにあってしまいます。

そんな自軍の窮地にも関わらず、戦わないアキレスに業を煮やした、従弟であるパトロクロスは、アキレスの鎧兜を身に纏い、アキレスとして、戦場に赴きます。戦争に参加したことがなかったパトロクロスでしたが、アキレスに日々、剣の稽古をつけてもらっていたため、その戦いは見事なもの。たちまち連合軍は士気を取り戻します。そして、勢いのままに、ヘクトルに挑みますが、敵わず、パトロクロスは死んでしまいます。

これに激怒した、アキレスは、プリセイスの静止を振り切り、単独でトロイへ出向きます。そして、パトロクロスを討ったヘクトルに、一騎打ちを申し込むのです。そして、物語は、アキレス、ヘクトル、パリスを乗せて、終盤へと流れ込んでいきます。

映画「トロイ」感想

まず、驚かされるのが、戦闘シーンです。何千、何万もの人が入り乱れる戦闘は、圧巻の一言で、思わず引き込まれます。また、戦争の最中に行われる、一騎打ちのシーンも素晴らしいです。あくまで、人間の演技なので、アニメや漫画のように、素早い太刀筋で切り合うわけではありませんが、生身の人間だからこその、その筋肉の動きや、葉を食いしばる姿は、見事と言うほかありません。そのシーンを見るだけでも、面白いです。

ストーリーの見どころは、アキレスの心の動きでしょう。物語序盤のアキレスは、不義を嫌ってはいますが、戦闘に意味を持たないといいますか、ただ、己の力を示すために戦っているように見えました。それが、パトロクロスの死で、初めて、復讐という意志を持って、戦います。さらに、終盤、連合軍がトロイへと総攻撃を仕掛けるときにも、トロイの地でプリセイスを探し、彼女を守るために、本来ならば仲間である、連合軍の兵士を斬りつけます。この、アキレスが見せた、実の弟のように、可愛がっていた、パトロクロスの死を悲しむ気持ち、愛するプリセイスを守りたいという気持ちは、主人公であるアキレスの成長、もしくは変化であり、物語序盤の彼とは、明らかに変わっているように、うつりました。しかし、その強い気持ちが、逆に弱さにも繋がり、プリセイスを助けた彼は、パリスに討たれます。守りたいものができるということは、自分だけでなく、弱い存在を庇いながら戦わなければならないということ。その隙をつかれて、完全無欠の戦士であった、アキレスは倒れるのです。戦闘しかしてこなかった男が、人間らしさを持った途端に死んでしまう。なんだか皮肉めいたものを感じます。最後のシーンは、悲しいような、儚いような、なんともいえない感情に包まれます。

総合的に言うと、古代ギリシャの、迫力ある戦闘と、主人公アキレスの心の揺さぶりを見ることのできる、良作であると言えると思います。人を選ぶ作品かもしれませんが、見たら公開はしないのではないかと思います。